【仕訳】SES常駐型フリーランスエンジニアがよく使用する仕訳厳選

　 顧客先常駐型のSES契約で働くフリーランスのＩＴエンジニアが、帳簿付けの際によく発生する仕訳をまとめました。近年では、会計ソフトを使って作業を簡略化することが多いと思います。しかし、会計ソフトの自動仕訳に任せているだけでは、間違った仕訳に気づけません。正しい仕訳知識を身につけましょう。

開業前

　開業前にも事業用の口座の準備や、事業に関連する支出が発生します。ここでは、開業前に発生するイベントに対する仕訳を示します。

（※1）支払いは、個人用のクレジットカード、または個人の現金で支払ったとし、「事業主借」としている。

　開業資金の入金

　　開業にあたり、事業の資本金として事業用の普通預金口座に入金した。

　セミナー

　　開業前にフリーランスエンジニアのセミナーに参加した。

　パソコン購入（10万円以下）

　　開業前に事業用のパソコンを購入した。

　スマホ購入 （10万円以下）

　　開業前に事業用のスマホを購入した。

　フリーランス関連本の購入

　　開業するにあたって、開業のハウトゥ本を購入した。

期中

　期中によく発生するイベントに関する仕訳を示します。

（※2）支払いは、事業用のクレジットカードで支払った場合は「未払金」、事業用の口座から直接振り込みした場合は「普通預金」、個人用のクレジットカード、または個人の現金で支払った場合は、「事業主借」となる。

　売上

　　顧客とSES契約を結んでおり、当月の売上が確定した。

　　翌月に先月分の売上に対する報酬が支払われた。

　　自身の生活費を事業用の口座から個人の口座に振り込んだ。

　通勤

　　顧客先まで電車で通勤することとなり定期券を購入した。

　事業関連本の購入

　　業務上必要な書籍やスキルアップのための書籍を購入した。

　セミナー

　　スキルアップのためセミナーに参加した。

　資格取得

　　業務で必要な資格としてデータベーススペシャリストを受験した。

　電話料金の支払い

　　事業用スマホの電話代を毎月支払っている。

　ネット代の支払い

 　　テレワークをするにあたって、自宅のインターネット回線を事業と個人とで併用している。回線は事業用のクレジットカードで支払っている。案分計算は決算時に行う。

　モニター購入

       テレワークで使用するモニターを購入した。

　スマホ買い替え （10万円以下）

       事業用のスマホを買い替えた。

　パソコン買い替え（10万円以下）

       事業用のパソコンを買い替えた。

　クレジットカードの清算

       クレジットカードの未払金が引き落とされた。

期末（決算）

　決算整理仕訳時に発生する仕訳を示します。下記以外にも、「事業主貸」と「事業主借」の「元入金」への振替仕訳などもよくある仕訳です。しかし、一般的な会計ソフトは、自動で仕訳してくれるため、ここでは省略しています。

　ネット代の案分計算

 　　ネット代を案分計算する。事業で使用する時間は1日8時間、1月で160時間(8時間×20日)とする。案分率は22%（＝160時間／720時間(24時間×30日)×100%）とする。１年で支払ったネット代は、60,000円である。

　　（※3）60,000円×(100%－22%)＝52,800円

　開業費を経費化

        決算にあたって、開業費を当期で全額経費に振り替える。

– 以上 –